9+16→96
9+17→114
小柴胡湯の合方剤

【基本処方:小柴胡湯(詳細は小柴胡湯とその派生処方 その1 を参照)】

 No.9(小柴胡湯) : 柴胡、黄芩、半夏、生姜、大棗、人参、甘草

適応:半表半裏証

 柴胡剤の基本処方。もちろん主薬は柴胡。病期分類では少陽病、表裏分類では半表半裏。寒熱往来、胸脇苦満、食欲不振、全身倦怠感などがある場合に用いられる方剤だ。

【小柴胡湯の派生処方】

 No.96(柴朴湯) : 柴胡、黄芩、半夏、生姜、大棗、人参、甘草、厚朴、茯苓、紫蘇葉

適応:半表半裏証、気滞、気逆

小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方剤が「柴朴湯」だ。重複生薬は半夏と生姜。適応は両剤を足したものと考えてよい。

胸脇苦満に咳や喘息、ヒステリー丘がある場合に用いる。また、肝鬱気滞型の自律神経失調症(胸のつまりや溜息、涙もろい、のどの異物感、精神不安、うつ傾向)にも用いられている。

 No.114(柴苓湯) : 柴胡、黄芩、半夏、生姜、大棗、人参、甘草、沢瀉、茯苓、猪苓、蒼朮、桂枝

適応:半表半裏証、水毒

小柴胡湯と五苓散の合方剤が「柴苓湯」だ。重複生薬はない。よって適応も2つの適応を足したものとなる。

胸脇苦満に尿量減少やむくみ、口渇、頭痛、嘔吐、下痢があるような場合に用いる。臨床では、腎炎や糖尿病性腎症などで胸脇苦満がある方に応用されている。
【投薬時の注意点】

共通する注意点:手足のほてりやのぼせ、寝汗など陰虚の症状がある場合には用いない。

No.96(柴朴湯):喘息や咳に用いるが、小柴胡湯が入っているので、空咳には適さない。

No.114(柴苓湯):皮膚がカサカサになったり、発疹、かゆみが見られる場合は中止。全身倦怠感が見られる場合も中止する。